津軽十三湖しじみ亭奈良屋
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一、斜陽館に響く津軽三味線
[十三湖の風保存版](当店発行の情報誌『十三湖の風 第7号』より)

津軽の冬…。 太宰治と三味線にひたる。

古いガラス窓から津軽三味線が流れてくる
太宰治の生家「斜陽館」


 しじみ亭奈良屋から南へ車で約30分のところに金木町がある。町内へ入ると古い道と家並みが津軽らしさを感じさせてくれる。やがて中心部の道並みに古い煉瓦積みの高く長い塀と入母屋(いりもや)造りの大きな建物が見えてくる。ここは小説家太宰治の生家、津島家「斜陽館(しゃようかん)」である。

 太宰治は明治42年、ここ金木町に時の大地主で金融業を営み、そして貴族院議員でもあった津島源右衛門の六男として生まれた。この建物には金木町太宰治記念館として多くの太宰ファンが訪れている。子供の頃の太宰が読書をしたり遊び駆け回っていただろう館内にたたずみ、小説「津軽」にある津島家と想いを同じにするのだろう。大きな囲炉裏がある板の間の床板が黒く光っている。来館者がそばを通 る度にその影が床板を横切る。目を落としてその影を感じた時、往時の津島家の使用人達が忙しく動き回っているのではないかと錯覚する。

 広い土間から茶の間越しに見事な庭園が広がっている。天井の梁や白い壁が映る土間側のガラス戸を見つめていると太宰が生まれ育った頃と今との間にある時代の隔たりを忘れさせてくれるようだ。この土間には小作人達が運び込む米俵が天井一杯まで運び込まれていたという。

 平成8年、それまで民間の旅館として使用されていたこの建物は金木町が譲り受け太宰治記念館として一般 に開放されるようになった。その後、道路向いに建てられた観光物産館「マディニー」や「津軽三味線会館」と共に多くの観光客が訪れている。余談であるが筆者が旅館としての「斜陽館」最後の宿泊客であったことは思い出に深い。



 時折、斜陽館に津軽三味線の音が聞こえてくる。激しく物悲しい三味線の音が津軽の旅情をさらにかきたてる。それは「津軽三味線会館」から聞こえていた。ここでは日に数回、三味線演奏を行っている。太宰治の生家に触れ、津軽三味線の音に酔いしれる。津軽を体中に感じる時である。

 間もなく津軽には冬が来る。白い雪と地吹雪の津軽平野に響きわたる津軽三味線。その中に埋もれた細い一本のレールの上をストーブ列車(冬期のみ運行)が走り抜ける。車内では乗客達がストーブに手を暖め、イカを焼く匂いが立ちこめる。車窓からはただ白い雪と吹き走る地吹雪だけが広がる。ストーブ列車の終点駅中里から十三湖まではわずかな距離だ。

 金木から弘前へは車で約1時間、津軽三味線の演奏を聞ける居酒屋や店が多くある。この冬、そんな津軽に是非、旅をしてみてはいかがだろう。

【問い合わせ先】
●金木町太宰治記念館「斜陽館」
 TEL 0173-53-2020
●金木町「津軽三味線会館」
 TEL 0173-54-1616
●金木町観光物産館マディニー
 TEL 0173-54-1155


二、ガンバレ!とりんごに声をかける名川町の松井さん一家

▲りんごにガンバレ!と声をかける松井保さん、柳子さんと長男調和君。いつもならここに長女歌音ちゃんが加わる。


▲松井さんのりんご。2004.9.29撮影
りんごの赤い色は
 お天道様がくれた包装紙


 青森県三戸郡名川町で果樹栽培をしている松井保さんのりんご畑を訪れてみた。名川町は青森県内では果 樹栽培が盛んで町でもその果樹による観光誘客に力を入れているところである。
 りんご畑を訪れたのは九月の終わり頃である。たわわに枝にぶら下がっているりんご品種「ふじ」の収穫は例年11月中旬過ぎであるのでまだ色が十分ついていないが若々しさと活きいきさが伝わってくるりんごである。
 「私たちがりんごにしてあげられることは がんばれ!と声をかけることだけです」と松井さんが話す。農薬散布回数を5分の1に減らし害虫だけではなく益虫まで殺してしまう殺虫剤を一切使用せず、りんごの木が本来持っている力を引出し自然のまま丈夫に育てるのだそうだ。今年、猛暑のため大発生したリンゴダニも松井さんのりんご畑にはまったく見られなかったとのことだ。
 りんご畑では家族皆でりんごに声をかける。人工的に色付きを良くするための葉取りもせず、そして大きくもしない。あくまで自然のままりんご自身の力で育ったりんごは私たちの体を健康にしてくれるはずだ。「葉をとらず育ったりんごの色はややまだらですがお天道様がかけてくれたきれいな包装紙なんですよ」と奥様の柳子さん。
 りんごもそして私たちの体もすべて天地自然からの恵み物である。自然に育てたりんごの収穫とそれを食べることができるのが待ち遠しい。



しじみ亭奈良屋では松井さんの自然に育てた体にやさしく美味しいりんごを販売する。木1本から1〜2個しか収穫できないという味のすぐれた特撰ふじりんご(数量 限定)は是非おすすめである。



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