腰まで水に入って行う
岩木川河口のしじみ漁
今回紹介するしじみ漁は昨年夏の様子である。解禁後のしじみ漁(=「十三湖の風」第四号で紹介)に同行させていただいた時と同じ秋田さんの船、「宝幸丸」にその後の七月、しじみ亭小野店長と二人で再び乗せていただき岩木川河口のしじみ漁の様子を取材させてもらった。河口のしじみ漁は毎年七月から八月にかけて限られた日数だけが解禁されている。河口しじみは乱獲を避け、大切に保護されているのだ。
前回と同じ朝七時、「宝幸丸」は船着き場を出た。向う先は岩木川が十三湖に流れ込む河口である。前回よりはやや漁に向う船が少ない。「腰まで湖に入らなければならない漁なので河口のしじみ漁は体力的に大変なんだ。まして天気が良い時など夏の太陽の陽射しが湖面
に反射してとにかくバテる。だから漁に出ない漁師もいるんだよ」と秋田さんが語る。
河口に着くと秋田さんたちは早速に湖の中に船から下り始めた。通常は船尾に長い棒の先にステンレスの籠がついた「ジョレン」を付けて船で湖底をすくうのだが河口での漁はその「ジョレン」を船から降ろし腰で引っ張り、すくい具合は手で微妙に操作するのだ。そして後ろ向きに湖の中をゆっくりと歩き回るのだ。
この辺りの湖底は砂地とのことでやや茶色がかった色のしじみが多い。粒は大きめだ。秋田さんは「河口のしじみは漁の始まったばかりの頃のものが一番味が良い。昔から地元ではこの河口しじみがでるのを楽しみにしていたんだ。ただ最近は全国に十三湖しじみが知れ渡り需要が急増してきたため市場へ出す時には他のしじみと一緒にしてしまうことが多くなってしまったよ」と話す。
決められた量のしじみを採り終わり漁場を後にした。この日は薄い雲が湖上空を覆っていた。暑い陽射しがないので厳しい湖上の暑さは無かったが南方の岩木山を眺めることはできなかった。湖上を走る船上の頬に当たる風は心地よかった。
今年もまた河口しじみ漁が始まる。
ブルーベリー園と吉田松陰遊賞の碑
しじみ亭の店の西側は十三湖であるが東側の店の裏手には数百本のブルーベリーが植えられている「奥津軽観光ブルーベリー園」がある。毎年たくさんの青い実を畑一杯に見せてくれる。しじみ亭のブルーベリージャムはここで収穫されたもので作られている。今年の夏も見事な実をたくさん見せてくれるだろう。ブルーベリー狩りができるので是非寄ってみてはいかがだろう。
西側の湖の畔、しじみ亭の目の前には「吉田松陰遊賞の碑」が建っている。幕末の嘉永五年(一八五二)三月四日、北辺の沿岸防備を調査するため東北各地を訪れていた吉田松陰が十三湖の小山を越えたとき十三湖を眺めてその景色の素晴らしさを日記に「真の好風景と書きとめたそうだ。この碑はそのことを誇りに思い地元の人たちが建てたものだそうだ。その碑は湖と遥か遠くの岩木山を背にしじみ亭の店に正面
を向けて建っている。
■ブルーベリー園の問合せはしじみ亭奈良屋へ
津軽五所川原の夏祭り
巨大ネプタ「立佞武多(たちねぷた)」
しじみ亭から南へ約三十分ほど車を走らせると五所川原市がある。ここに今年四月「立佞武多の館」が建てられた。ここ五所川原には青森県を代表する夏祭り「ネプ(ブ)タ」の中でもその高さが約二十メートルもあり、百人余りの担ぎ手で大正時代の初めまで街を練り歩いた「立佞武多」がある。一時、市街化の電線等の問題が生じ、中断されていたが約九十年ぶりに市民の手で復活され「五所川原立佞武多」として市を代表する夏祭りになっている。青森市や弘前市とはまた違ったこのネプタ祭りには八月四日〜七日の期間中にたくさんの観光客が訪れている。
「立佞武多の館」には「立佞武多」の歴史や実物を展示してあり、また夏に向けての製作作業も公開している。是非、訪れることをおすすめしたい。
■問合せ先 立佞武多の館 電話 0173(38)3232

▲立佞武多の館の内部
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▲立佞武多の製作
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▲立佞武多の製作
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▲見事な河口しじみが船に上げられる。

▲「ジョレン」を水中で引く作業は重労働である。


▲漁が終わり浜に帰る秋田さんとしじみ亭小野店長。

▲しじみ亭のブルーベリー園

▲たわわに実るブルーベリー

▲巨大な立佞武多が展示されている
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